打ち合い上等! 多摩川クラシコ・川崎F×FC東京

乱打戦の予感が漂う。今週末キックオフを迎える、川崎フロンターレとFC東京による『多摩川クラシコ』はゴールラッシュがよく似合う。1999年にJ2を舞台にスタートした『多摩川クラシコ』の通算成績は、川崎Fの12勝7分8敗。10年前のFC東京5-4川崎Fをはじめ、2007年の川崎F5-2FC東京、FC東京0-7川崎F 、2008年のFC東京4-2川崎Fなど、ド派手なスコアが並ぶ。

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前回の対戦となった1stステージ第7節もFC東京2-4川崎Fと大量点が生まれた。川崎F・風間八宏監督が「今は失点をしても、その後に入った選手がどんどんやる気を見せてゴールを目指してくれる。そういうところで勝ったゲームかなと思う。あとは、これだけサポーターが来てくれた。我々のプレーよりも見事な応援だったので、そこも勝因のひとつ」とサポーターに感謝すれば、FC東京・城福浩監督は「『多摩川クラシコ』ということで、選手たちも高いモチベーションでプレーしてくれた。ゴールを取るべき時に取らないと、こういう展開になることを思い知らされた。あれだけ頑張った選手たちがブーイングを浴びる姿は見たくなかった」と悔しさをにじませた。スコアレスドローは27試合中わずか3試合、過去5試合でも平均3ゴールが生まれている。しかも、2年前のゲームでは0-0の引き分けがあるにもかかわらず、だ。

気候も『多摩川クラシコ』が打ち合いになるように後押しする。高温多湿の真夏のゲームは、オープンな展開になることが多々ある。90分間守備で規律を保ち続けるのは至難の業。どのクラブであろうと時間の経過とともにケアレスミスを犯したり、集中力を切らしてしまうシーンは散見する。よって、スコアが動く試合が多くなるのだ。

年間1位をキープする川崎Fは、2ndステージも3勝1分と2位につけ、10得点をマークする。得点ランキング2位タイの12ゴールを積み重ねる大久保嘉人だけではなく、小林悠が4試合連続ゴールで得点ランク4位タイとなる10ゴールをマークする好調ぶり。ただ、中村憲剛が第2節に負傷し、次節からボランチ・大島僚太が『リオ五輪』のためにチームを離れる(控えの原川力も『リオ五輪』で不在)。攻撃を司るふたりのMFの不在の影響がどのように出るか、FC東京戦が今後の重要な試金石となる。

1stステージは9位に甘んじ、2ndステージも1勝3敗とリスタートに失敗したFC東京は『多摩川クラシコ』を浮上のキッカケにしたいところ。そもそもFC東京にはムリキ、ネイサン・バーンズ、前田遼一、平山相太と実績十分なアタッカーが揃う。『多摩川クラシコ』後の城福監督ではないが、「ゴールを取るべき時に取れば」楽な展開になっているだけに、FWの決定力が今後の鍵となる。

『第28回多摩川クラシコ』川崎F×FC東京は7月23日(土)・等々力陸上競技場にてキックオフ。チケット発売中。